信託(家族信託)
- ■超高齢化社会に向けての財産管理と家産承継
- わが国の高齢化はこれまでにない速度で進行しており、高齢者の財産管理や家産承継が問題になっています。
このような状況の中、高齢者の財産管理に関する社会的支援としての成年後見制度とりわけ任意後見制度や家産承継としての遺言制度は有用な制度であり、徐々にではありますが、利用される方も多くなってきたようです。さらに近年、遺言に代替して財産の円滑な承継ができ、かつ後見制度を補完することができる制度として「信託」という制度が脚光を浴びてきています。
この信託、とりわけ家族のためにする「家族信託」は、ご家族それぞれに合わせた柔軟な制度設計ができ、支援を必要とする方のニーズに合ったスキーム作りを自由に組み立てることができる非常に柔軟性のある優れた制度であります。
当事務所は、この家族信託を駆使してお客様の大切な財産をお守りいたします。
- ■信託とは「財産を信じて託す」こと
- 信託とは、「信頼できる人に自分の財産を預けて、預ける目的に従って管理、活用してもらう」ことです。財産を預ける人を「委託者」、信頼できる人を「受託者」、利益の分配(受益権)を受ける人を「受益者」といいます。
- ■信託の設定方法
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信託に設定方法(信託行為)は、以下の3つの類型があります。
- 信託契約による方法
委託者と受託者が合意して契約をする方法です。 - 遺言による方法
遺言書の中で信託財産を受託者に託す方法です。 - 自己信託(信託宣言)
委託者が自分自身を受託者として自己の財産を他人のために信託する方法です。公正証書等で行います。
- 信託契約による方法
このような方
- 自身が高齢になっており、所有するアパートの家賃の管理、建物の修繕等が面倒になってきた。
- 自分が亡くなった後、高齢で病弱な配偶者が心配だ。
- 障害を抱えた子が心配で、その子の生活の安定を望んでいる。
- 相続人がいないので、自分が死亡後の債務の支払、葬儀、永代供養などを誰かに依頼したい。
- 中小企業を経営されている方で、確実に後継者に経営権を譲りたい。
信託のメリット
- 意思凍結機能
委託者が意思能力を喪失したり、死亡したりしても信託は終了することなく、信託契約時に委託者によって設定された信託目的に基づく財産管理を実現することができます。 - 受益者連続機能
委託者によって設定された信託目的に則り、受益権を複数の受益者に連続して承継させることができます。これにより民法上無効とされている後継ぎ遺贈が実現できます。たとえば、「当初受益者(第一受益者)を妻に、妻が死亡した後の第二受益者を長男に・・」という信託を設定することができます。 - 利益分配機能
高齢の配偶者、知的障害のお子さん、浪費癖の強いお子さんの日常生活における生活費が困らないように一度に多額の財産を給付せずに、必要な時期に必要な生活費だけ給付でき、「親なき後問題」や「配偶者なき後問題」についての委託者の思いを達成することができます。